組合を設立する前の私たちは、業務用のパソコンソフトを作製する会社で働く仲間でした。

その会社には営業担当がおらず、全員がシステムエンジニアまたはプログラマーだったのです。新規の仕事は社長のつながりか又は、お客様の紹介のみでした。

そんな状態ですから、徐々に営業状態も悪化していきました。そしてついに約20年続いたその会社も平成19年10月で解散となってしまったのです。

取引のあったお客様から、「うちへ来ないか?」とありがたくも声をかけて頂くことが多く、比較的年齢の若いものから優先的に再就職させて頂きました。

残ったベテラン組みは、「まぁ〜何とかなるだろう。」と何故か奇妙な自信があり悠長に構えておりました。

しばらくすると、各自が担当していたお客様から、「ちょっとシステムを見て欲しいんだけど・・・」と個別に連絡が入るようになりました。

あるお客様からは、「次はどこへ行くの?どこへ行っても、うちのシステムは○○さん、あなたに見てもらうから宜しくね。」など大変ありがたい言葉を掛けて頂きました。

1ヶ月位は各自で対応していたのですが、「このメンバーが何もしないのは、あまりにも勿体ないじゃないですか・・・。皆さんで会社を作ったらどうですか?できる限り応援しますよ。」と以前の取引業者さんから声を掛けて頂き、これが切っ掛けとなって組合を設立することになったのです。

組織の形態については、株式でいくのか、有限でいくのかと色々悩みましたが、結局、お互いが均等に出資し、責任も均等に負うという「有限責任事業組合」という形をとることにしました。

開業にあたっては、事務所の手配や商売道具のパソコン・事務机の手配、カーテンの取り付けまで、これまでお付き合いして頂いたお客様のご尽力によりトントン拍子に揃っていきました。本当に本当に有難く感謝しております。

こうして皆さんのお力を借りながら2008年1月、岩国情報システム有限責任事業組合を設立することが出来たのです。