もともとソフトウェアを使いこなしている会社です。
でも、使うだけでは効果半減。新しくする際の"コツ"や"驚きの活用法"をご紹介します。

「運収管理に追加してもらいたい機能があるので、見積りをお願いしたいんですが・・」

いつものご依頼です。しかし、この時ばかりは、本当にビックリ!!感心させられました。脱帽です。ここまで活用していただければ、喜びを超え"驚き"となります。

B社さんのソフトウェアに対する"理解度"と"フル活用ぶり"を見てみましょう。

B社さんでは、かなり前に、オフコンと呼ばれるコンピュータを導入され、既に手作業(請求書発行や集計)の人件費を4分の1にまで軽減していました。

しかし、当時のマシン性能の限界から一部の手作業は残っていました。(書類印刷→内容チェック→報告書作成や再集計等)

その後、パソコンの普及と性能アップに伴い、新しいソフトへ置き換えすることに!これ以降が、B社さんの凄さです。

置き換えるには、先ず仕事の流れを見直します。
そして、次の2点に着目し機能決定するのです。

@不足機能の追加・不要機能の削除
>>簡単そうでも、意外と皆さん迷うものです。

A定例化していない資料は機能範囲対象外
>>新規・置き換え問わず非常に重要です。

@は一見簡単ですが、同じやるなら!と皆さん迷われます。決めかねるのです。そんな時に、Aの視点を活かすのです(後述)。

B社さんは、事前に@を検討済みでした。もちろん仕事の流れもです。(これ結構凄いこと)

一部Aも適用しましたが、事前検討のおかげで、すんなり決定!
機能的にもスッキリ!仕事の流れに埋もれたムダもなく非常に効果が出たのです。(下図参照)

※この業務にかかる人件費(1人あたりの時間単価を2,000円と想定)
 オフコン:2名 × 2日 × 8時間 × 2,000円 = 64,000円(月額)

運収管理


運収管理:1名 × 1日 × 1時間 × 2,000円 =  2,000円ポッキリ!
  (ソフトウェアリース料を合算しても、毎月約40,000円の儲け!)

さて、ここで一考。なぜ非定例の資料は対象外とするのか?

それは、"費用対効果が望めない"からです。

検討段階では、あれもこれも欲しい!となりがちです。これは、仕事の流れが曖昧なために起こります。要るんじゃないか・・?程度のものも必ず含まれており、実際ほぼ100%使いません!

おまけに、処理内容もデータの内部構造も複雑になり、後々まで響きます。作成費が膨らんだ上に使わず、後の修正費等も膨らむ。悪いことばかりです。

だからこそ、曖昧なモノは割り切り、代わりに、ソフトウェアとは関係なくデータが使えるよう、データ出力機能を盛り込んでおくのです。

突発的・個人的に入用になった時、Excel等を使って自由に資料作成できる。これで解決です。時代や仕事の流れに合わせ、本当に必要な機能のみを後から追加すれば良いのです。

さて、B社さん。このセオリー通り何度か機能追加依頼を受けています。

その際、理由も話してくれますが、なるほど納得!本当に"道具"として使い込まれているなぁ、と感心します。

そして、冒頭のお話です。いつものように依頼を受け、訪問した際の会話です。


社長さん)この集計表を追加したいんです。(内容拝見)


●あれっ!?これって、もともとよく似たのがありますよねぇ。なんでです?

社長さん)
実は、うちのお客さんが毎月こういう資料を作っているようなんだけど、かなり大変らしいんだよね。

よく見ると、同じような資料がパソコンからでてるじゃない。だったら、少しプログラムを直せば、同じような資料が出来るかなぁと思って・・・。

当社のサービスとして、お客さんの替わりに毎月その資料をつくって差し上げたいんだよ。

●はぁ・・?(←まだ事態が分かっていない)

社長さん)
このサービスをする替わりに、そこが当社のお客さんになってくれそうなんだよ。かなりの大口客になりそうだからね・・・。実は、もうOKもらってるんだけどね。

●へぇーっ!!社内業務用のソフトで新規開拓!?考えたこともなかったです!!

タクシー業界は現在とても競争が厳しいようです。しかし、この会社では、ドライバーの質やサービス向上だけでなく、お客様のお困りごとを解決することで大口の固定客を獲得されていました。

資料作成なんて、対応ソフトがあれば簡単に出来てしまいます。新しいソフトウェアの作成費なんかすぐ回収できてしまいますよね。参りました。ハイ。

顧客要望に対応


貴方の仕事の流れに"道具"は役立っていますか?
逆に"道具"に仕事を合わせてますか?

「まだ使えるから大丈夫!」これ、非常によくお聞きする言葉です。でも大きなムダと浪費が潜んでいるかもしれませんよ。

《ここがポイント》
仕事の変化に合わせ、道具(ソフトウェア)を育てよう!
 (道具に使われてはいけない)